国語の成績を上げるには?9

「痛い、痛い、痛い!!」
かつてないほどの痛い思いをしたお話です。

学生時代にスキーで転倒し、両足の親指の爪が剥がれ、それ以来強度の巻き爪になってしまい爪の端が肉に食い込み痛み始めました。
まず近所の皮膚科に行き、他に何軒か行きましたが、どこも一様に
「手術の必要がある」
とのことでした。
どうしても手術が嫌だったので(大袈裟に言うと心の中の自分が嫌がっていたので)、自宅から一時間かかる都内の巻き爪を専門にしているクリニックに通うことにしました。
ここは爪の両端に小さな穴を開け、形状記憶のワイヤー(1本4000円!)を通して巻いている爪を平らにしていくという治療をしてくれるところなのです。
それより何より、とにかく早く直したい一心で時間がかけられなかったので、ウェブの検索で一番目立つ広告のところにしてしまったというのが正直なところです。おまけに雑誌にここの先生の記事が結構載っていてるらしく、「ここなら大丈夫だろう」とつい食いついてしまったのです。
ただ不思議なのがいつ行っても空いているのです。

ここで気づけばよかったのですが。。

先生は30代くらいのスマートでおしゃれな感じの男の人でした。
雑誌の写真では満面の笑みなのに、実際の診察室では常に眉間にシワを寄せて神経質な感じに見えました。
あと、気になったのが、こちらがいろいろと質問しても黙ったままで答えてくれない場合が多く、ちょっと変だなとは思いました。しかし他に行くところもないので通い続けました。自由診療なので一回につき、7~8000円かかるので決して安くなはないし、遠いから時間も交通費もかかるのですが。
5回目の診察のときです。
素人目にも爪が平らになってきたので
「これで治療は終わりですよね?」
と聞いたら、
「いや、あと2回は通ってもらわないと」
との答え。
そして、その後、せっかく肉より伸びてきた爪の端を小さなはさみでちょきんと一、二回切りました。

「なぜせっかく伸びてきた爪を切るのだろうか」
と疑問に思いましたが切った爪は取り戻せません。
再びワイヤーを代えられ、会計して帰宅しました。
すると、2日後爪が再び肉に食い込み痛くなり、その後まもなく夜に眠れないくらい痛くなりました。そこで見てみると親指の端の肉が大きく盛り上がり、食い込んでいる部分から血が出てとても醜い状態になっていました。
あわてて朝一番でクリニックに予約を入れ、診察してもらうことに。

「こんなになってしまったのですが」
と見せると、
「状態が悪くなったらすぐに言ってくださいね。すぐに診ますから。ああ、これね。これ『陥入爪(かんにゅうそう)』です。治したければまた別の治療が必要になります。やりますか?」
といつもより饒舌な感じで言われました。
こんな風になってしまったのは他でもないこの医者のせいではないか!この人にまた診てもらうというのはおかしすぎる。
「とりあえず様子を見させてください」
と怒りを抑えて出てきました。

しかし、
「やっぱり文句を言おう」
と怒りを覚えながら受付に行くと、いつも女性スタッフが一人しかいないところに、4人のスタッフが勢揃いした上に妻の副院長までいて、しかもなぜか体格のいい馴染みの患者らしき男まで受付にいる。その者どもががやがやみんなで楽しげに盛り上がってしゃべりまくっている。そんな中でいつも通りの会計をされ、追い出されてしまった。

「これは医療過誤ではないか」

帰宅後、ふつふつと怒りが込み上げてきて、消費者センターに電話するも
「証拠がないのでお話を聞くことしかできません」
とのこと。
では、このクリニックが載っている口コミサイトに投稿してやろうと入力したものの、どうやってもアップできない。

このクリニックはとにかく回数を稼いで、最後は悪化させて、それでまた稼いでということをやってるのだ。

悔しくて悔しくて仕方ありませんでした。
「今までの時間とお金を返せ!あと健康な指を」

そうはいってもこのままでは生活に支障をきたすだけ。
もともとどこで治したらいいのかわからないところからスタートした今回の事態。
本当に治るのかどうか、治してくれる医者があるのかどうか、探したはいいがそこが信頼できる医者なのかどうかわからない。でもやるしかないので再び医者探し。

たまたまウェブで郊外の総合病院の内科医の先生が爪も診ているという記事を発見し、とりあえず行ってみた。

事情を話すと、
「これは放っておいたらずっと痛いままですよ。肉と爪の間のギザギザを取り除かなければ」
とのこと。
そこで、爪と肉の間にピンセットでガーゼを入れ、爪と肉の間にハサミを入れてそのギザギザをとる処置をするが、どうするか、とその場で言われました。

正直嫌です。そんなもの。ですが、今やらなければなにも変わらない。
ということでやってもらいました。

「痛い、痛い、痛い!!」

診察室の外まで絶対聞こえていたはず。麻酔注射をしたものの場所が場所だけにあまり効かない。指の先は神経が集中しているのでこの上ない痛さ。これを言わずにはとてもいられない。
こんな痛い思いはしたことがありません!

ある意味偶然でしたが、なんとか最後は良心的なお医者様に出会え、今、指はほぼ完治しています。

(ちなみに、今思い出しましたが、ここにたどり着く前にも一軒一ヶ月くらい通った医院がありました。その先生は悪い人ではなかったのですが、今から考えるとお門違いな治療をしていました。ただ、ひとつ言えるのは「うちでは治せない。他を当たってくれ」とはっきり正直に言ってくれた医者はいなかったということです。)

なぜこんな話をしたのか。
塾も一緒だということです。

塾もピンキリ。海千山千の世界。
どこに通うか、誰に習うかでお子さんの伸びは全然変わってきます。
いい塾、いい先生を探すには手間は惜しまないことです。
できるだけ通っている人から評判を聞き、実際に室長、授業担当者と話し、面談し、体験授業に参加してみる。
こうしたことを何回か繰り返し、さらに何軒か繰り返す。こうしてお子さんにあった塾を探す。

これは非常に手間のかかることではありますが、ぜひやっていただきたい。
どこに通うかでお子さんの学力の伸びは俄然変わってきます。

先の都内の爪のクリニックの医者のようにこちらの質問に答えないのは言語道断。
親切な塾、先生はそんなことするはずないですし、その場の先生や生徒の雰囲気からも察知できるはずです。
とにかく現場に足を運ぶこと。
お願いすれば授業担当の先生にも会わせてもらえるはずです。
同じ看板を掲げる大手塾でも校舎によって対応も授業も変わります。
大手の看板だからといってどこでもすべて均一ということはありません
何も調べずに入れるのは危険です。
どこで学ぶか、誰から学ぶかでお子さんの伸びは決まります。
必ず事前の下調べをしましょう。

入試までの時間は限られています。
「最初に」どこの塾、誰にお世話になるのかが肝心です!

一回入ってしまったあとに転塾するのは大変です。時間が経てば経つほど面倒で難しくなってきて、時間もどんどん経ち、お子さんの頭の柔軟性も損なわれてきます。

「孟母三遷」といいますが、早めにお子さまに合う塾を見つけてあげてほしい、というのが正直なところです。