どんな献身的な行為よりも何もしないことの方が多くをなすことがある。

こんにちは。フジオカ国語教室です。

 

 

今日、個別指導でおもしろい文章を扱いました。

 

一人の看護婦のサボりが入院患者を元気にしたというお話です。

 

 

お話はこうです。

 

ある病院に入院していた筆者のとなりに、意識も途切れがちな高齢の男性患者がいた。

 

あろうことか、昼食後の眠くなる時間帯に一人の怠慢なナースがぐたーっとそのおじいさんにもたれかかってひと眠りしていくようになった。

激務の合間にこっそり休憩をしてしまっているというわけである。

 

ところが、おじいさんの方はこのナースが眠ってしまうと、自分の方が目を覚まして廊下を見張りナースの上司が通りかかると彼女の背中をポンとたたいて教えるようになった。そのようすは普段見られない溌溂とした様子だったという。

 

 

 

意識も朦朧としいつも何から何までしてもらうことに慣れてしまっているおじいさんにとって、唯一他人のためにしてあげられることだったのである。

 

いつもしてもらうことに慣れている人は、自分を「してもらう人」として意識してしまい、「自分からしよう」「人のためにしよう」という意識がそがれてしまう。

 

 

どんな献身的な行為よりも何もしないことの方が多くをなすことがある。

 

 

 

 

「子どもに関わりすぎかな…」

と思ったら一回お子さんとの距離を見直してみるといいかもしれません。