建築家の安藤忠雄氏の講演会に先日行ってきました。安藤さんはバイタリティーのかたまりですね。(安藤氏の文章は中学入試にもよく出ます。)
・大学に行かず「独学」で建築を学ぶ。
・仕事がないので、だれからも依頼もされていないのに勝手に設計図を書いていた。
・世界の名建築を見るために自費で世界旅行をした。
・2014年までに十二指腸、すい臓、脾臓など5か所の臓器をがんで失っている。それでもあきらめない。
・一日に一回感動しろ。見たことのないものを見よ。
・誰もが納得する仕事をしろ。
・英語は話せないけど、U2のボノとは友達だ。心があれば通じるものだ。
などなど、非常に刺激的な内容でした。
ル・コルビジェをはじめとする安藤氏あこがれの名建築、安藤氏の関わった難建築の写真が次々にスクリーンに映し出された後、安藤氏設計、真駒内の「頭大仏」の写真が紹介されると会場中が笑いの渦に(笑)。
「鎌倉の大仏は見せすぎ。もっと隠さないと」
真駒内の大仏は遠くから見たときは、大仏様の頭の上半分しか見えず、そこから下はすべて広い地下空間に隠されています。
遠くから見ると、春は一面にラベンダーが咲き誇る畑の中に丸い石のようなものがちょこんと出ているのが見え、冬は一面雪景色の中に丸い石のようなものがちょこんと見える。
これを見た人は「いったいあの丸いのは何だ」と思う。するとみんな見に行ってみたくなる。
http://takinoreien.com/?page_id=28
真駒内、直島など、もともと人のまったく来なかった場所が、すばらしい建築をきっかけに人々がどっと押し寄せて息を吹き返す。建築って本当にすごいですね。
講演会や本などでよく
「ワクワクすることをしよう」
とか言われますが、正直、今までよくわかりませんでしたが、安藤さんのお話からはそれがヒリヒリするくらいに伝わってきました。
9月27日から国立新美術館で「安藤忠雄展」があるそうで、15万人集客しなくてはいけないとおっしゃってました。(安藤さんにも(スケールは違えど)ノルマがあるんですね。)