「電車の中では読まない方がいい」
こういう前評判だったので家で読みました。
そして「絶対に泣かない」と決めて読みました。
しかし結果は、
号泣でした。
本で泣くという経験は今までなかったのですが。
これは取扱注意です。
『臆病な僕でも勇者になれた七つの教え』旺季志ずか著です。
得るものは非常に大きかったです。
読む前と後とでは自分の中の何かが変わったと思いました。
内容としては、
生まれつき青い髪であるがゆえにいじめられ、父親に逃げられるなどのつらい目にあい、自分を押し殺して生きる少年キラが、どんな願いでもかなうとされる聖櫃(アーク)を求めて、さまざまな困難を乗り越えていくという成長物語。
ただこの本のすごいところは、単なる物語で終わらず、筋を追う中で人間はどうしたらよりよく生きられるのかという教訓が多数ちりばめられていることです。
その一部をここにあげると、
「この世に起こるすべての現実は、思考が先にある。心、意識が現実を映し出す」
「この物理世界では、思考が現実化するまでに時間がかかる。その時差で、みんな、自分の思考がつくりだしとるということに気がつかん」
「真実、進むべき道はワクワクしたり、気分が軽やかになったりする。どんより嫌な感覚が来たらストップのサインじゃ」
「迷ったときこそ内なる声に耳をすますんじょ」
「わかいし(若者)よ、臆病なまま進め、失敗しても勇気に変わる」
また、いじめについても著者の洞察力の深さが感じられました。
たとえば、
「僕がイジメを受けたのも、「辛い」や「哀しい」、「はらたつ」、「僕はやっぱりダメだ」とか「みじめ」……、ああ、もう数えきれない、そんな気持ちが先にあったから!?」
「オレは(いじめを)やってない。けど(中略)オレは傍観者だった。止めないのはイジメと同じだ。最低だオレ。本当にごめん」
その他、
「嫉妬はな、その相手が受け取ってるものを、自分も手に入れられるという合図」
「人はええんよ、どうでも。自分が何を感じとるんかたいせつにせんと」
など、人生における教訓がこれでもかというくらい載っています。
最後の場面で、予想もしていなかった展開になり終わるのですが、これはご自身でお確かめ下さい。
文章が非常にビジュアル的なので小学生から大人まで、また本が苦手な人にも読みやすいと思います。
ぜひ読んでみてください。