「ZZZ・・・」
「ZZZ・・・」
一対一の指導中、その男の子は眠ってしまいました。
「おい、聞いているか!」
大きな声で言うと、パっと起きる。
しかし、またしばらくするとまぶたがスーっと閉じていく。
「もう無理」という感じ。
文章の内容がわからないと無性に眠くなるんですね。
読んでいるつもりでも実際には眠ってしまっている。
「やさしさを受け取った者は感謝しなければなりません」
「それが不自由というものです」
「自由には常に責任と厳しさが伴うのです」
今回の長文は論説文。
物語と違って筆者の抽象的な概念を読み取らなければいけません。
この子にとってこれ以上の子守歌はありません!
読んだら即「ZZZ・・・」。
正直、このとき思いました。
「この子が4年生だったらなあ」
この子は今6年生です。中学入試まであと30日を切っています。
ここから論説文を攻略するのは正直厳しいです。
一方、
「この子を何とかしてあげたい」
という思いも当然あります。
そう思えば思うほど、
「この子が4年生だったらなあ」
と思ってしまうのです。
それはなぜか?
4年生ならまだ頭が柔らかいからです。
4年生だと「論説文は嫌だ」というバリアがまだそれほどないのです。
それよりも、未知のものへの好奇心の方が強い。
いわば「白いキャンバス」みたいなものです。
どんなものでも受け入れられる体勢があるのです。
ただし、そこで面白くない文章を読まされたり偽物の教育を受けたりすると、強固な「論説文嫌い」が出来上がってしまいますが。
逆にこのタイミングで良文に出会えたり、良師に出会えたりすると、抽象概念を受け入れ、そこから自分で考えることができるようになり「後伸び(あとのび)」も大きくなってきます。
では、この男の子は一体どうなるのですか?
答えは
「それでもやる!」
一番頭の柔らかい時期は過ぎてしまいましたが、でもこの子にとっては「今日が一番頭が柔らかい日」ですし入試までとにかくやるしかないからです。
ということで、お子さんがまだ4年生以下の親御さんへ、
「小4までに中学受験教育を始めましょう!」