なぜ中学受験なんかするのか

こんにちは。「中学受験国語 鍛練道場」です。

「なんでわざわざ中学受験なんてするんですか」

こう聞かれることがあります

おそらく世の保護者は
「子どもをいい中学に入れて難関大学に入れるため」
「いい教育を受けさせるため」
などと考えておられるかと思います。

もちろんこれらは大きな魅力です。手に入れて損はないです。
でも、中学受験指導をしてきて気づいた一番の効用は

「小学生時代に子どもが勉強するようになる」

ことではないかと思っています。

人間、締切がなければ何もしない。だから、試験がなければ勉強もしない。
これを逆にとらえると、中学受験は子どもに思いっきり勉強させるきっかけになるということです。
小学生時代に思いっきり勉強すること。
この大事さは大人になってから気づくことです。

私は中学受験をしませんでした。
中学受験なんかしなくても小学校は進級できるし、中学校にも入れる。
だから、時間があればテレビを見るか自転車を乗り回すかのどちらか。

「のびのびと遊べてよかったじゃないですか」

と言う人もいるかもしれませんが、正直何のメリハリもありませんでした。
自分で何をすればいいのかわからないから、とりあえずテレビを見たり自転車に乗ったりしていただけ。他に何をすればいいかわからなかったからやっていただけで、これらにやりがいはありませんでした。

「なぜ何もしていないのに4月になると学年が上がるのか」「なぜ6年生が終わると中学に入学できるのか」
本当にわからなかった。

「中学受験」というと、
「子どもがかわいそう」
「子どもは自然のなかでもっとのびのびと遊ばせるべき」

こういった声があります。

でも、受験勉強には目的があります。
目的に向かってひたすら自分を鍛える。
そして目標を達成したときには充実感がある。
さらには志望校に合格する喜びや学歴も手に入れられる。中学受験をしてきた人たちはこのことを12歳のときに経験して知っているのです。ここには人生で大切なことがぎゅっと詰まっています。

小学6年間を無為に過ごした人と、目標に向かって精進してきた人とでは天と地ほどの差があるのです。

「この時間は本当は何かをしておかなかればならない時間なのではないか」
こういう漠然とした不安が小学生時代にずっとありました。

小6のとき40人クラスの中に2人だけ中学受験を目指している子がいました。彼らは勉強の出来が全然違いました。
長文を要約する方法もよく知っていましたし、算数の問題解きの速さもすごくて正確でした。

今思うと、やはりあのときに取り返しがつかない差がついていたのです。

その後私は二浪しました。

二浪しなければ得られなかった教訓ももちろんあります。
しかし、今社会人をやっている中で小学生時代のブランクはやはり埋められないのだと思っています。

「今から勉強すればいいじゃないですか」

というかもしれませんが、会社に勤めながら勉強するのは生半可なことではありません。時間がいくらあっても足りないのです。
そこで気づくのです。
「あの小学生時代にあり余っていたあの時間こそが勉強すべきときだったのだ」と。

大人はこのことを子どもに教えるべきです。
子どもはまだ経験していないからわからないのですが、わからないからといってそのままにしていていいわけではないのです。大人が教えてやるべきなのです。
それが大人の義務なのです。
それをしない大人が実に多い。言いたくありませんがうちの両親もそうでした。

人間は一度大人になったらもう子どもには戻れないのです。
だから大人は子どもに教えなければいけないのです。

「小学生時代の今が一番のびのびと勉強できるときなのだよ」
と。